オレンジ模様

当たり前の日常の世界を、いろんな角度で書いてゆこうと思います。

11年前に、ラジオ深夜便の朗読にはまっていました。

11年前、機械警備という夜勤の仕事をしていた時のことです。

 

機械警備の仕事は、警報センサーが発報すると、会社からの指示で、現場に急行して対処します。

それまでは、すぐに出動できるように車の中で待機している時もあります。

 

警報センサーは性能が良く、天候状態や虫などのちょっとしたことでも反応してしまいます。そのたびに出動しますが、何もない時はずっと待機状態です。

 

待機状態の時、眠らないようにするためにラジオを聴いて気を紛らせていました。

そんな時、NHKラジオ深夜便の朗読にはまっていた時期がありました。

 

<朗読「藤沢周平『海鳴り』語り:松平定知」>

これが番組タイトルでした。

夜の闇に、安っぽいカーラジオのスピーカーから曲が流れ、松平さんの渋い声で藤沢周平さんの物語が朗読される。

深夜のために意識がぼんやりしている中、

平成の時なのに、なんとなく江戸時代の日常が、目の前に浮かんでくるような時間を過ごしていました。

 

幻のような情景は江戸時代末期。

季節は三月末。

時刻は午後4時頃。

夕暮れが始まる頃の、淡いオレンジ色の陽ざしがあたりを染めている。

町人の娘たち、武家の家族、商家のいいなずけ同士。さまざまな身分の人達が、穏やかな笑顔と振る舞いで、満開前の桜並木をゆったりと歩いている。

そんな幻想的な印象でした。

想像の世界ですけどね。

ぼくにとって、ラジオ深夜便の朗読を聴いていた時は、現実を忘れられる素敵なひとときでした。

 

待機中は、いつ出動の連絡がはいってくるかどうか分からず、気はずっと張りつめっぱなしでした。でも、出動の連絡がなく、ラジオ深夜便の朗読を聴けている時間がとれると、自由なイメージの世界でゆったりに浸れていたちょっと贅沢な時でした。

 

仕事は緊張の連続で大変でした。でも、自由に安らげる時が少しでも持てるというのは、心を良い状態に保つためには大切ですね。

冬の海鳴り

今日の昼、海岸線の駐車場でひと休み。

冬特有の西高東低の気圧配置のために、天気は良くなかった。

海上の空には灰色の雲が低く流れ

海面に何本もの雷が落ちた。

海は大荒れで、大波が防波堤にあたって砕け散っていた。

雨や雹、雪が降ったり止んだりを繰り返していた。

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(写真中央右あたりに微かに見える塔のようなものは、風力発電機の羽根です)

 

時折、灰色の雲のすきまから青空と白い雲が見えた。

頭上の天気はコロコロと変化を繰り返していた。

 

絶え間なく押し寄せる大波

冷たい強風

耳から入りつづける海鳴り

体を震えさせつづける海鳴りの振動

これらは頭上の空と違い

絶えることなく、ずっとつづいていた。

 

冷たい強風が、海岸線の松林をうならせていた。

「ドッドッドッドッ」と巨大な発電機が運転しているような音が

海から、足元の地面から、海沿いに並ぶ家々から聞こえていた。

冬の海鳴り。

下腹に響くような海鳴りは初めてだった。

恐怖を感じさせる音だ。

 

ぼくは、海には年に数度くらいしか来ない。

恐怖を感じさせるような海鳴りを聞くことも初めてのことだ。

一種の非日常経験。

体中で海鳴りの振動を感じていると

体が地面から2センチメートルくらい浮いているような

不思議な興奮と、感じたことのない感覚だった。

 

 

 

 

 

雪おこしの雷

初冬の日本海側では、雪おこしの雷が突然鳴る時があります。

今朝(11月27日)6時頃、突然「ド~ン」と雷が鳴りました。

雪おこしの雷は、夏の雷鳴と違い地表に近いのか、家自体が揺れることがあります。

今朝の雷鳴も、窓ガラスがビリビリと響いていました。

寝起きの頃だったので、突然の大音響にビックリしてしまいました。

f:id:shinkey:20211127184445p:plain ここ数日、寒気が入り込んで、今日の日本海は大気が非常に不安定な状態の1日となりました。

南の空には太陽と青空、北の空には黒い雨雲、西の空には低空の灰色の雲。

東の山々は灰色の雪雲に覆われて見えなくなっていました。西の山々は雨が降っているのだろうか、ぼんやりと滲んでいました。

 

風が強いので、雲脚は早く、霰(あられ)や雨が降ってきたと思ったら、日差しが届き、クッキリと色があざやかな虹が架かる。そうかと思えば雷鳴がして霰(あられ)が降り、雨になり、虹が架かる。コロコロと天気は変わっていきました。

気温は10度しか上がらず、風も強く、寒かったです。

 

でも、良いこともありました。

今日1日で、鮮やかな虹を2度も目にすることができました。

 

初冬の青空と灰色の雲が、目まぐるしく変わる中

突然、光り輝く鮮やかな七色の虹に出会うと、なんとなく幸せな気分になりました。

今夜は、ちょっと幸せな気分で眠れそうです。

 

小春日和

月食の次の日

午前八時

空には雲一つなく

頭上には、やわらかい青空があった

 

地上には朝霧が広がっていた

ここは標高7メートルの平野

20キロメートル四方には小高い丘や山もなく

ずっと遠方まで平らな地形で

視界をさえぎるものもない

 

平野全体に広がった朝霧は

朝の陽ざしを受け

乳白色に輝いていた

行き交う自動車、公園の木々

景色すべてが乳白色の中に埋もれて

幻想的な風景だった

 

気温10度

風はすこしヒンヤリとしていた

紅葉が終わる晩秋とはいえ

朝の陽ざしを体に受けると

暖かい

 

午前十時

標高110メートル

山の間にある盆地

天気は晴れ

気温12度

朝霧はなく

すこし高く上がった太陽からの陽ざしが

さらに体を暖めてくれていた

屋根瓦や

机に広げた紺毛氈に

やわらかく暖かい日差しが注いでいる

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小春日和と紺毛氈と屋根



「小春日和」という言葉が

本当に似合う一日となった。

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小春日和と庭

 

家族 猫

我が家では、17歳になるメス猫がいます。

日々の生活に居なくてはならない、かけがえのない家族の一員です。

人間でいうと84歳ぐらいです。

引き戸も自分で開けて、家の中を自由に闊歩しています。

(昔だと、化け猫と言われていたのでしょうか)

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4年前、13歳の冬

 

動作も以前よりもゆったりとしています。

犬猫の寿命は、人間の1/5です。人間の1日は犬や猫では5日に相当するそうです。

人も動物も毎日毎日、大切にして生きたいですね。



妻からきた「たいへん!たいへん!」メールより

 

昨日、我が家の近くでちょっとした事件がありました。

 

家の横に設置されている屋外式消火栓の地下が空洞になっていることがわかりました。

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発見のきっかけは、妻が屋外式消火栓の横にある「消火栓標識」がグラグラしているのを見つけたことからです。

「あぶないなぁ」

最近、道路標識が根元から腐って折れて、人がケガをするという事故の話を、たまにニュースで見聞きします。

近くに人が歩いているときに折れると、ケガをしてしまいますよね。

特に、学童の通学路、小さい子供や老人が通るような道路では、危険度が増します。

 

早速、近くの消防署に連絡すると、すぐに消防職員が駆けつけてきました。

消防職員が地面を調べていると、ボコッと大きな穴が開いたそうです。

大きさは直径1m、深さは120cmくらいです。

原因は、消火栓の地下での漏水だそうです。

 

現在は、工事現場用の厚い鉄板を2枚敷いて、その上に注意喚起のための三角コーンが置いてあります。

 

見えないところなので、発見できてよかったですね。

 

ところで、このあたりというのは、普段は静かでおだやかな住宅街。

「何事?」

と、近所の住民が物見遊山でワラワラと消火栓に集まってきたそうです。

ちょっとしたハプニングを見に来る感覚。

(不謹慎かもしれないけれども)

妻、ご近所さん、消防職員、役所の土木課職員、水道課職員など

ちょっと盛り上がったみたいです。

 

帰宅して、妻から直かに話を聞いた時も、その時の、ちょっとした盛り上がり感が伝わってきました。

 

何事もない平穏なおだやかな日々は貴重です。

でも、ちょっとしたハプニングでゆるやかに盛り上がって、

ご近所さんや消防職員さん、自治体職員さんを身近に感じられるというのも、

ある意味では、良いことなんだと思います。

 

今まで別に気にしてはいなかったのですが、

「消火栓標識」は消防の管轄

「屋外式消火栓」は地元自治体の水道課か土木課の管轄

だそうです。

 

念のために覚えておくことも良いかも。